「SHIBU CULTURE」展中止に思う事

西武渋谷の「SHIBU CULTURE」展が会期途中で中止された。
同展中止以降、ウェブ上で議論されている。
ものづくりをするものとして、また百貨店という場での展示(販売)の経験者として、ウェブ上で一部挙がっている意見

・苦情を言った側(個人・団体・都の条例規制、等様々)が悪い
・開催中止した百貨店側(または展示会担当者)が悪い
・開催中止に異を唱えない作家は作家ではない

これらについて、私はいずれも違うと思う。
なぜ「犯人探し」をしたがるのだろう?
なぜ「悪者」を作りたがるのだろう?
誰も悪くは無いのではないだろうか。

中止した百貨店側を責める声が多いと感じたけれど
私は百貨店の対応は、当然の対応をしたのだと思う。

展示会を開く出展者は「お客様」ではない。
普段買い物に出掛ければお客様でも、そこで何かを「売る・発表する」という立場になった時、その会期中は「取引業者という百貨店側の立場」であってお客様ではなくなる。
出展者側にしてみれば、中止に至った経緯の説明はして欲しいと思うのは当然だが、お客様の反応を無視する事ができないのが、百貨店という立場なのかもしれない。
普通に考えれば些細な事のように思われる事でも始末書を書かされたり、お客様に「土下座して謝れ」と言われれば、普通なら土下座をする程の事ではなくても土下座をする場面を目撃したこともある。

百貨店という場は、お客様にそこで買い物をするというステイタス性を持ったサービスを提供する事だと考えれば、今回の反応は頷けるといえる。

私自身はアニメで育ってきた記憶が無く、サブカルチャーと呼ばれる分野とは恐らく無縁に生きてきた人間なので、サブカルチャーという分野がどこからどこまでを言うのか、正確には把握していない。
ただ奇しくもこの件の直前、仕事関係者とフィギュアと呼ばれる作品の話題になって
「あの観察力、創造力、作り込み方、質感の出し方は芸術的」
などと話していたくらいなので、私の中では現代における「新しいアートの分野」という意識がある。
また、こうした分野において、日本は優れているのではないかということも感じている。
だから、それらの新進作家が一同に会した美術展があったっていいと思う。
それでも「百貨店に相応しくない」という声が上がったことは、今は仕方ないと思う。
「目新しいもの」「斬新なもの」「若い人のやること」には、どの時代においても、とかく反対意見はつきものですから。

私が高校の頃、軽音楽という分野は教師からの攻撃の的だった。
一応は進学校?(学校側の言い分)の端くれだったので、所謂「不良」と呼ばれるスタイルの学生はいない。
一緒にバンドを組んでいたメンバーにはアメリカの交換留学生に選ばれた子もいたし、推薦で国公立大学に入学した先輩もいた。
よく共に練習した友人達は、学年ではトップクラスの成績優秀者だった。
(その何れにも私が含まれていないのは、この際突っ込まない事。)

それでも「不良のする所業だ」「こんなもの音楽じゃない」と何かあれば教師達は潰そうと動いた。
防音設備の整った視聴覚室で練習していても「近所から苦情が出たから練習するな」と言われた。
でも、学校が推薦する“吹奏楽部”が屋上で毎日ラッパを吹こうと太鼓を叩こうとシンバルがグワァァァンと轟こうと、練習を中止させられることはなかった。
当時の私の世代(10代)と40年も時代の違う人々(教師達)から見たら「電気を使う楽器など野蛮だ」と感じたのだろう。

考えると理不尽ですよね。
当時は「時代錯誤もいいところ」と呆れた。
でもそういうものなのではないかな。
人は自分の価値観でものをいう。
大人だろうと子供だろうと同じ。
また公の顔や立場があれば、それが優先されるだろう。
新しい分野を切り開こうとする時、それまでの常識を覆すようなものを表す時、苦情を言うものがいるのは、ある意味覚悟しなければならないのかもしれない。
大事なのは表現者が「それでも良い」と思えるかどうかなのではないだろうか。
表現者自身にとって、自分の表現方法として「間違っていない」と思うのであれば、私は価値観の違う立場から苦情が出ようと、気にしなければいいと思う。
(私がいつも言っている模倣問題はまた別の次元。もっと気にしたほうが良いよ、模倣ばかりする人は。)

要は、そうした個々の作家自身がどうしたいか、ということだと思う。
中止も辞さない気持ちで、自分たちの表現が出来る場を求めて挑戦していくのか。
百貨店に認められるような作品を発表し「大手百貨店の美術画廊で展示会をした」という箔を付けたいのか。
たとえそうだとしても、誰にも「そんなのアートじゃない」「「百貨店に媚びているのか」と責めることは出来ない。
なぜなら、それがその作家にとって「自分が生きていく為のすべ」なのかもしれないから。
人にはそれぞれの事情、それぞれの信念、それぞれの選択肢がある。
「表現の自由」を叫ぶのならば、選択の自由も受け入れる必要は無いだろうか。

だいたい、この件を祭り上げているのは、当事者や作家ではない立場の人々の様な気もする・・・

アートを発表するという行為は、創作活動をすることとは別に、観て貰いたい人々が多く集まる場所で発表し「観て貰える機会を持つ事」だと思う。
自分の作品テイストに合わない場所には拒絶されるのは当然だし、大変でも自分のテイストに合った場所を見つけていく事も大切。
逆に、それぞれの発表の場に合ったテイストを揃える事も有効だと思う。
ただ個人アーティストでは負担も大きく、アーティストの多くは気持ちの切り替えが得意ではないだろうと思われる事から、現実問題として難しいとは思うけれど。

私のいる分野だって同じ。
アートジュエリー」などと銘打っているが、「アート」として扱われることはあまり無い。
現段階では自分のつくるものがアートだという意識もない。
ただ何も無いところから創作していく立体造形ということにおいては
彫刻や伝統工芸と大きな差があるとは思えないクラフトアートの分野。
それでも一般的に認められているアートの分野からは除外される。
除外されるというより、下に見られているのだろうとさえ思う。

でもなぜ除外されるのか、見下されるのか、その理由はよくわかっている。
その作品が、または作家のつくるものが「アートかアートではないか」の線引きは難しい。
専門家にだって難しいだろうから、観客・お客様にとってはもっと難しい。
「この作品はアートともいえるのだけどね」というものが少しくらいあったとしても、そうで無さそうなものが含まれている限り、まるごと外される。
「この分野は駄目だよ」というふうにね。


もしも、自分のやっている事がそう簡単に「世間に認められるもの」と思って創作活動をやっている人がいるとしたら、それは幻想に過ぎない。
実力はさておき、有名な場所や話題性のある場所に出さえすれば、仕事として軌道に乗れるかもという幻想を抱くことも同じ。


町外れの小さな画廊でやっている個展や、雨なら中止を余儀なくされる神社の参道で行われるイベントにも、心を打つ、気持ちのこもった作品がある。
話題になることは少なくても、楽しみにしている人がいる。
そういうところから始める事も素敵だと思う。

作ること、表現することは誰にでも出来る。
でも世間に認めてもらうということとの間には、大きな開きがあることは確か。
甘い気持ちで参入は出来ても、甘い世界ではない。
それが「アート」系の分野。(此処では敢えてアートと呼びたい。)


私は評価されるより、表現というのか、作ることのほうがたぶん好き。
でも、評価されることによる喜びがまた別に存在する事も確か。
たとえ「アートのお仲間入り」が、自分の生きているうちに果たせなかったとしても、それでもアートという分野に“片足でも突っ込んだもの”くらいにでも評価して貰えるように。
今の私、これからの私をみてもらえるようになりたい。

私にとっての表現は『私は此処に生きている(生きていた)』の形だと思うから。
即ち、私の表現するものは『私そのもの』だと言えるのかもしれない。

以上、個人的見解と自分の分野に絡めて書いてみました。




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  • 「SHIBU CULTURE」展中止に思う事
  • 2011年02月06日 (日)
  • 18時00分00秒
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Liricaの推奨本
手前味噌で申し訳ないです。 でも良い本に仕上げていただいたと思っています☆
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Lirica

Author:Lirica
2000年前後より、お勤めの傍ら、趣味でアクセサリー作りを始め、2003年より友人の勧めで委託販売と出張教室を始めたことが、この仕事のきっかけとなりました。

2004年より天然石・ビーズ販売と各種アクセサリー講習会を開催していましたが、2005年より貴金属ワイヤーによる本格的ワイヤーアートジュエリーの制作へと転向し、技術講座を開講。
2006年より委託販売を開始し、百貨店催事とアートクラフトイベントへ出展。
オーダーやリフォームの他、相方の研磨鉱石・天然石の販売も致しております。
ブログでご案内いたしておりますので、ぜひ会場へ足をお運びくださいね。

私がワイヤーアートジュエリー講座を開催している理由は、今流行りの「お教室ビジネス」をやりたいからでは断じてありません。

「ものをつくる」というのは一朝一夕で出来るものではありません。
習ったら作れるというだけのものでもありません。
「作ったら売れる」とか、「習ったから教えられる」というものでもありません。
「作る」という行為を通して、自分で考えたり気がついたり、成長する楽しさを感じていただき「創る」喜びにつなげていただきたいと思い開催しています。

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